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える力がボランティアにはあるということです。これがはっきりしたのは大震災の救援活動の中で、例えば北淡町に救援物資がたくさん集まりましたが、これを仕分けして平等に町民に配るのに約1ヶ月かかったと聞いております。いくら物を送っても1ヶ月も被災者に届かないということもあったようです。またある企業がテレビを3000台送りたいという申し出がありましたが、平等に配分できないので断り、代わりにお金をお願いしたというようなことも聞いております。
公平、平等の原則を乗りこえられるのはボランティアしかできないということが教訓としていえることだと思います。
次にボランティアセンターの役割ですが、これまで福祉関係のボランティアを中心に関わってきましたが、今後は環境や国際交流等さまざまなNPOの諸団体、企業や労働組合、学校、生協、農協とあらゆる団体との日常的な連携をはかっていく必要があると思います。こうしたいろいろな団体とボランティアセンターとボランティアが手を組めば、今まで想像もしていなかった新しい事ができると実感しています。震災の時もそうでしたし、全国ボランティアフェスティバルもそうでした。こんな事ができるのかと思うようなことが実現できた、まさにメイクドラマでした。
もう1つ大阪の特徴として言いたいことは、「大阪ボランティアハンドブック」というものをお渡ししていると思いますが、この中の座談会の記事に(大阪の伝統というものは自分発でやる伝統というものが脈々とあるということです。大阪は民生委員制度の発祥の地でもありますし、老人クラブの組織化も大阪が発祥の地である。また大阪ボランティア協会というのが日本では大阪で初めてできたものである。そういった自分発で新しい事をやっていく風土がある」と述べられています。
しかしボランティア人口という面ではまだまだ少なく、特に登録している方は少ないと思います。全国の調査では500万人がボランティア人口と言われていますが、大阪の発表は推計で52万人です。しかし登録されている方というのは3万5000人という状況です。大阪の方は登録が嫌いなのかもしれませんが、登録することによってボランティアの存在とネットワークの出発点になりますので是非登録していただきたいと思います。
それから子どものボランティアについて言いたいと思います。アメリカの子どもボランティアについて話が聞けたら良かったのですが、大阪である所が調査した「高校生、中学生、小学生のボランティア活動の最近の活動状況」が新聞に出ておりましたが、小学生で4割位、中学生で3割、高校生で2割位と段々減っていっているという緒果がでています。ということは年齢が上がるにつれて活動していかなくなるわけで、これは受験勉強の弊害が出ているのではないかというコメントが出ておりましたが、是非子どもの時からさりげなく、皆がボランティア活動をするようになればいいと思っています。
あと、情報提供の面ですが、センターではボランティア情報を取り組んでおります。今日お配りした「ボランティア大阪」(年4回発行)はまだ6号目ですが、もっともっとボランティア情報を市民の方に広げていかなければならないと思っています。また新聞、テレビ等でもボランティア活動をもっと取り上げて欲しいというのが私の切実な願いです。
今大阪では新しい活動がどんどん生まれています。そうした成果や教訓を広げるためにボランティアの横の繋がりをつくっていきたい、と大阪では大阪府下、市町村のボランティア連絡会(31の自冶体連絡会)が集まり発足いたしました。これが大きなバネになり

 

 

 

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